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BOUND STRIKER 第4章 幕間 尾瀬家、動く

  • 2006/08/16(水) 15:57:45

うわおお、久々だなあ、小説更新。内容は短いどさ。

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 蓮太郎と海奈が異世界に連れて行かれて三日。
 その間、当然といえば当然だが、元の世界では大変な騒ぎになっていた。
 何せ、県下でも有数の進学校の生徒二人、それも生徒会長と副会長なのだから。
 周囲からは公認のカップルとなっている二人だったので、いろいろな憶測が持ち上がった。
 やれ駆け落ちをしただの、やれどこぞの北の国に拉致をされただの。
 だが、失踪した原因ははっきりせず、捜査は難航。
 今後、二人の捜索は多数ある失踪事件の一つとして進められていくことになる。
 しかし、独自に動く者たちもいた。
 蓮太郎の姉の桃子(ももこ)と弟の翔(かける)である。

「ふ?む」
 桃子は自室のパソコンの前で、課題のレポート作成に勤しんでいた。
 ふと、桃子はキーボードを打つ手を止めた。
 背もたれに体を預け、椅子の向きを変えて、虚空に向かって声を投げかけた。
「わかったのか?」
「はい。桃子様」 
 桃子以外誰もいないはずの部屋に、雄雄しい男の声が響いた。
 すると、今度は陽炎が立ちこめるかのように部屋の景観がぼやけ、少ししてぼやけがなくなると、一人の黒装束を着た男がひざをついて桃子の前に現われた。
「やはり蓮太郎と海奈ちゃんは、<あっち>にいるのか」
「はい。弟君はハイブリーダに転移しています。しかも現在はリュクティア領にいることが判明いたしました」
 やれやれ、と桃子はため息をついた。
「どうなさいますか?」
「どうするもこうするも無いだろう」
「……ですが、仮に弟君が桃子様の申し出を断ることがあれば…」
 桃子の瞳に野性が宿る。異世界ハイフリーダにおいて数々の相手を戦慄させた眼である。
「どうするというのだ? 安心しろ、仕事はするさ」
 桃子は椅子の向きを変えて、再びパソコンに向き直った。
「もういい。下がれ。近日中に私もそちらに向かう」
「御意に」
 再び陽炎が立ちこめられて、男は姿を部屋と同化させて姿を消し、立ち去った。

「まったく、本当に世話を焼かすな。あの愚弟は」
 桃子が一人ごちるとコンコンと部屋のドアがノックされた。
「姉さん、今、大丈夫?」
「ああ、翔(かける)か。入っていいぞ」
 入ってきた翔の出で立ちは、とても体育会系の少年とは思えないものだった。
 前髪は、うっとうしそうに伸びているし、体の線は細く、おとなしそうな印象を受ける。
 だが、その少年こそが陸上部とサッカー部を全国にまで導いた神童なのだ。
「姉さん、兄さんはハイフリーダに跳んだんだね?」
「ああ、まったく人騒がせな奴だよ」 
 桃子は椅子から立ち上がると、クローゼットを開き、一本の剣を取り出した。
 その剣は、一般に剣と呼ばれるものと比べて、かなりの長さと分厚さ、幅があり、抜き身のその刃は紅く鈍い光を放っていた。
桃子はそれの柄を握る。その瞬間、桃子は、剣と体が一つになっていくような感覚に身を震わせる。   桃子が見るからに重そうな紅い大剣を軽々と持つと、自室の窓を開けて窓枠に足を掛けた。
 振り返って翔を見て、
「それじゃあ、翔、行ってくるよ。 私は大学生だから、いくらでも言い訳は用意できるが、お前はまだ中学生だ。 さすがにお前までいなくなると、な。 お前はまだ動くな」 
「うん……。 そうだね、わかったよ、姉さん。 それじゃあ、向こうで兄さんによろしく」
 心持ち、落ち込んだ声で翔は言った。
「ああ、それと明日提出するはずだったレポート、大学の城島教授のところに届けておいてくれ。 あの人はいろいろ私にうるさいからな」
「わかった。 あの人、姉さんのこと気に入ってるからね。大学生も大変そうだ」
「まったくだ」 
桃子は少し苦笑して夜の闇へと飛び出した。
 
 

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